概要
古い住宅と併用する事務所の改修
京都府の北部京丹後市、日本海に程近いこの地は近年こそそれほどでもないが、時に2mを超える積雪を記録する。古い事務所の部分は暗く寒く、その為に南側をプロフィットガラスの壁にして明るさを確保し、地中床暖房を入れることによって、冬のどうしようもない冷え込みを改善した。また1階の事務所スペースは、各スタッフのスペースをその仕事内容に合わせてデザインし、仕事の効率を図ると共に、全体を低いパーテーションで仕切り広がりのあるシンプルな空間になっている。
床はシナ合板を千鳥に貼り、パーテーションはタモの集成材で作り、木の構造体と合わさって自然な暖かい空間となっている。2階は設計室になっているが、各自のブースを独立的につくり、仕事に集中できる環境を作ると共に、中央の打合せスペースを囲んだ配置によりスムーズにコミュニケーションが取れるよう配慮した。
また居住部は伝統的な住宅の雰囲気を活かし、和室だった部屋は床や欄間もそのままに、畳を板張りに替え和風の空間ながらモダンな雰囲気を出している。またダイニングはRC打放しのコアを挿入することで、補強しそれがこの古い住宅の構造とあいまって新しいイメージのインテリアになっている。