概要
テレビ番組「劇的ビフォーアフター」の依頼による京丹後市の古い民家の改修である。
まわりは古い民家がよく残っており、古いが伝統的な町並みが消えずにある地域であった。
施主は、明治41年から続く老舗の造り醤油屋の建物に暮らす若い夫婦と子供2人で、祖父から醤油造りを受け継いで行っていた。施主はここに住まいと醤油醸造所と醤油を生かしたカフェを作って地域の人々とのつながりを強めたいと願っていた。そこで伝統的な醤油造りとカフェという新しい時代の店との融合が、この地域の伝統を受け継ぎ、次の時代の発展と地域の活性化につながると考え、外観のイメージはほとんど変えず象徴的に樽を模したコンクリートの円形の客席スペースを入れ込んで伝統と時代の融合の象徴とした。
カフェスペースは、樽を加工した収納庫を中心に放射状に動線を構成し、なるべく全体が見渡せ、訪れる人全てとコミュニケーションが取れる仕組みとした。
また奥の醤油醸造所は、ガラス張りで店内からもよく内部が見渡せ訪れる人から作業場の可視化をはかった。
「劇的ビフォーアフター」のプロデューサーやディレクターなどスタッフ一同の懸命な仕事ぶりには心打たれるものがあった。