概要
重要伝統的建造物郡保存地区
奈良県橿原市今井町の伝建地区の建物の改修である。
江戸時代から栄えた今井町は、重要伝統的建造物郡保存地区の一つとして、近年はその町並の保存に県や国が取り組んでいる。
北の狭い道に面したこの建物の表のデザインは、厳しい国の基準で制限されているが、かえってそれが他の建物との緊張感のある調和を生み出し、そのファサードを抜けると江戸時代に建てられたこの住宅の趣のある空間が、現代の生活にアレンジし再生された暖かいイメージのリビングダイニングにつながる。
中庭に面したそれらは古井戸のあるサンルームで奥の別棟につながっている。サンルームの屋根からは明るい光が降り注ぎ居心地がいい空間になった。
計画当初はいろいろ制約があるということで、不安だったが、「今井町づくりセンター」の担当の方々の熱意ある保存の努力が我々にもよく伝わり、きめ細かいアドバイスをしていただいた結果、思いのほかスムーズに計画が進み、完成にこぎつけることが出来たと感謝している。