概要
テレビ番組「劇的ビフォーアフター」の依頼で行った奈良県橿原市の古民家改修プロジェクト。
敷地北の道路に面する母屋と南の境界沿いに建っている納屋は共に古く、特に納屋は明治以前の建物と推察される。その中間に近年建てられた離れがあったが、台所、フロ、トイレなど水周りの全てが集中し、母屋は全く水周りがない状態であった。老婦人が一人で暮していたが、食事やトイレのたびに庭を通って離れに行かねばならず、この点を早急に改善する必要があった。この為、離れと母屋はバリアフリーのブリッジでつなぎ、外部にガレージから直結するバリアフリーのデッキをもうけ、後年の状況の変化に対応した。
構造は特殊なダンパーや足固め、耐力壁で補強したが、基本的なところはほとんど変えず、民家の構造の美しさを生かしたインテリアとした。また屋根は金属瓦に変え重量を軽くし、民家のデザインも残しつつ新しい民家の耐震の手法と考えている。また黒漆喰を本格的な手法で再現したり、建具を再現したりして職人の技術の継承を試みた。
番組スタッフの住人に対する十分な思いやりや仕事ぶりには大変好感を持った。