概要
テレビ番組「劇的ビフォーアフター」の依頼による古い町屋の改修である。
一人暮らしの施主は高齢の女性であるため、娘夫婦は母親が今までのままで生活し続けることを心配し改修に踏み切った。浴室は脱衣所もなくユニットバスが屋外にそのまま設置されている。母親はタオル一枚巻いて家まで走って戻るといった状態だった。そこで通り土間の中に全ての水周りを入れ、大きくした土間のガラス瓦からの光を透過性のある天井で取り入れている。そしてそれは2枚の扉で寝室と連続し、水周りと一体で暮らせるようになっている。建具は全部で40枚あったが一部はそのまま使い、他は新しい京町家らしいデザインでつくり直した。
TV番組に出演して設計することに当初はためらいもあったが、番組スタッフの熱心な仕事ぶりを見て、「ちゃんとした建築をつくらせてくれるならば」ということで引き受けることにした。