概要
三重県鳥羽市にある海を臨む、半島高台の頂上に建つリゾートマンションの改修。築40年以上経つこのマンションはこの10年1度も利用されず放置されたままだったが、孫世代が大きくなってきたため利用が見込まれ改装することとなった。
小さく区切られた部屋の壁を取り外し、完全にスケルトンとして計画した。BRエリアとリビングダイニングは低いカウンターとレースカーテンでやわらかく区切り、広々とした空間を保ちながらゾーンを明確にしている。家具やカウンターはアピトン合板とし、大工工事で造作することによりコストを抑えた。また、水廻りは現状のタイルの上に薄型のタイルを直に貼って仕上げ、浴槽や床などユニット部分は専用の塗料で上から塗装することによりそのまま利用する等、新しい技術についても模索している。
古いリゾートマンションのためその経済的価値がそれほど高くは評価されないのはやむを得ない。しかし、眼下に広がる海の景色は本当に美しく、こうしたスペースを持てることの意義は大きく、このような空間のリフォームは所有者にとって大きな価値を創出できると考えている。