概要
9mの木の張弦梁がつなぐ風と光と戸外空間
兵庫県宝塚市の山手の急な斜面に開発された古い住宅街の中での建替計画である。敷地は歩いて上るのもちょっと大変な急な山の斜面にあり、建替前の旧の住まいの2Fから見た眺めは、神戸から千里、そしてはるか大阪のビル街を海を挟んで眺めることが出来る。また山側は秋は紅葉の美しい木々に囲まれて、大学のカラフルな校舎などが見えるが、この景色を是非生かせたらという要望だった。
そこで、景色に向かって開くリビング・ダイニングキッチンを大きな柱のない空間とし、斜面の下からの風をうまく取り込み、山側へ逃がすようにするため吹き抜け階段を含むリビングダイニングは、910ピッチで120角の桧材で構成した張弦梁を東から西に向かって上がってゆくよう屋根を支えた無柱空間とした。
その張弦梁はそのまま東の外部へ2275mm伸び、全開の木造サッシにまたがって、外界を眺めることの出来る大きなバルコニーの屋根になるが、柱にさまたげられないダイナミックな景色を生み出している。