母と息子、その妹と夫、2つの家族のための住宅。

この住宅は土地を探すところから相談に乗り、まとまった1つの土地を購入し、同時に2件を建て、2棟の間を共有スペースとする事で土地の購入費、建築コスト、スペースの有効利用において別々に建てる場合に比べ大きなメリットがあった。

計画は「土地をそれぞれに分筆する事」が条件の1つだったので、東側に2階建で妹夫婦の住宅を配し、西側に平屋で母親と息子の住宅を計画した。そして2棟の間を共有スペースとし、それぞれ1階の中央を食事スペースとし、2つのキッチンがちょうど互いに向かい合うように配置して、全開放できるガラス引戸ごしに2つの家族がコミュニケーションを取ることが出来るようになっている。

個々のプランの特徴では東棟は、浴室、洗面、キッチン、和室等を中央に配し、周囲を回廊とし、通風、採光の十分取れる機能的なプランとした。

西棟は平屋でキッチンのある兄のスペースのメイン棟と母のスペースの離れで構成され、この2つは透明の屋根のデッキで分棟され、つながっている。西側の隣地との間に母専用のアプローチを設け、母親が単独で外部から入れるようになっている。