概要
和歌山県橋本市の丘陵地が広がる住宅街の一角に計画した夫婦と子供3人のための住宅。
この地域は夏は非常に暑く、冬は極端に寒いエリアで気候的には厳しい場所だが、敷地は三方道路で特に南側は公園を挟んで大峰連峰が望め、冬は雪景色の非常に美しいところである。
西側を除いて全て道路で北側はすでに十数年を経た住宅が建っており、見下ろされるような位置関係であったが、また西側は設計スタートした当初は空き地で、その向こう側は崖で景色も良かった。しかし周囲が建てこんでくると、建売などが建つ可能性があったのでプランを45度カットして開口を大峰連峰の方に向け、建物が建っても正面に見えないように配慮した。
また施主が赤ん坊を含めて小さい子供を抱えているので、土間を内部に連続させ、ベビーカーなどが雨の日でもそのまま駐車スペースから直接建物内にアクセス出来、スロープで玄関レベルまで上がれるようになっている。そしてそのアクセス用の土間に沿って、客用の和室を配置し、パブリックスペースと分離され、内部では離れのような効果を出している。その和室の上部は中二階の寝室となり、中央の階段の途中からアクセスでき、登りきると子供室に達する。子供部屋の前の踊り場からは、リビング吹き抜け越しに、大峰連峰をはるかに望むことが出来る。構造的には、一段下がった中二階部分と、子供室、LDK,水周りをそのまま1枚の屋根で包み、内部ののぼり梁をあらわしにした。夏は室内の熱気を吹きぬけや子供部屋の窓から排出し、冬は夜間電力で蓄熱させる土壌蓄熱式床暖房により、快適な空間となっている。